2024/03/17 17:02
2つに分かれた記事の1つ目です。
お店で香水や芳香剤を眺めていると、店員さんから香りを説明され、聞いていたけど「あんまり分からなかったな…」なんて思ってしまうことはないでしょうか。
また、ネットで香りを購入する場合は、実際に香りを嗅ぐことができません。
そのため、商品の説明書きを読んでも「いまいちどんな香りかピンと来ない、分からない…」と感じたことがあるかもしれません。
そんな、「香りが分からない」というお悩みをお持ちの方に、ぜひ知っておいてほしい知識があります。
それは、香りの「ノート」について。
実は先ほどのような香りの説明部分でよく出てくる言葉なのですが、へぇーと聞き(読み)流してしまい、気にしていない方も多いのではないでしょうか。
ですがこの「ノート」、香り選びではかなり大事なポイント。
今回は、そんな「なんとなくしか知らない」ノートについて解説していきます!
ノートとは?
そもそも、ノートという言葉にはたくさんの意味があります。
一般的には「ノートブック」や「メモ」、動詞としては「記述する」、音楽の世界では「曲調」などを表します。
こと香りに関して用いる場合は「香調」という意味を表し、大きく分けると「香りの系統」と「香料の揮発速度」を伝える際に使用されます。
この2つは一気に説明するとかなり長くなってしまいます。
ですので、今回は「香りの系統」についてご説明し、次回の記事で「香料の揮発速度」についてご説明していきたいと思います!
香りの系統を表現するノート
では、今回は香りの系統を表現するノートについて見ていきましょう!
そもそも、香りというものを直接的に表す言葉はほとんど無いことをご存知でしょうか。
探していただくと気付きますが、「甘い香り」「軽めの香り」など、香りを表現する際は他の感覚の言葉に頼ることが多いです。
理由としては、嗅覚は人によって感じ方が若干異なるから。
同じ柑橘系の香りでも人によって甘さを感じたり、酸っぱさを感じたりします。
全員で同じ認識にならないので、共通の感覚にはなりません。
そのため、人により少しずつ異なる感覚を一つの言葉で定義することは難しいというわけですね。
ただ、そうは言っても全員が感じたことをバラバラに表現していては、結局自分で嗅いでみるまでどんな香りなのか分からない、ということになってしまいます。
そんな事態を避けるために使用する言葉が、香りを系統ごとに分類した「〇〇ノート」。
それぞれの名前を見てもらうと分かりますが、原材料や連想されるイメージなどで香りを大まかに分類しています。
ざっと一覧にするとこんな感じでしょうか。
一度は聞いたことがあるものが多いのではないでしょうか。
下に書いてある説明書きは、私が感じるそれぞれの特徴です。
このノートは香水だけでなく、芳香剤など香り成分が入っているアイテム全般を分類することが可能です。
これまで先人たちがどうにかして香りをうまく伝えたいと試行錯誤し、なんとなーく歴史の中で分類され継承されてきました。
このノートがあるおかげで、「お花を連想させる華やかな香りで、濁りが少なくて…それからえっと…」とならずに「フローラルノートだね」と、とりあえず大枠に分類することができるわけです。
もちろん、それぞれのノートに感じる感覚は人により少しずつ異なります。
ですが、自分なりの言葉で「ハーバルノートは鼻をツンと抜ける清涼感のある香り」といったように感覚を覚えてしまえば、その部分の細かい説明を省略できます。
つまり、この感覚を知っていればいるほど、香り選びではだいたいの雰囲気を掴むことができるようになるのです。
好みの系統以外についても香りを感覚的に想像できるので、苦手な香りを避けることができるうえに、香り選びの幅も大きく広がります。
ですので、香りを嗅いだ際には、それがどのノートに属するのかも併せて確認する習慣をもつことがおすすめです。
ただし、この分類には明確な決まりやルールがない、ということも覚えておきましょう。
そのため、複数の系統に跨がる香料があったり、同じ系統に属する香料同士でも香りが少し異なる場合があります。
ハーバルノートと書いてあるけどグリーンノートに感じることもありますし、同じスパイシーノートの中でも原材料によって苦さや辛さなどの感じ方が異なります。
香料の種類は天然香料で約600種類、合成香料ではなんと3000種類を超えているとも言われています。
それだけの種類を完璧に分類するのは難しく、どうしても言葉で表現しきれない部分があるのが現状ですね…。
まとめ
今回はノートの1つ目、「香りの系統」を表現するノートについて解説しました!
言葉で表現するのが難しい、「どんな香りか」を簡潔に伝えるためにうまれた大きな分類が、この1つ目のノートでした。
この系統について感覚を身に付けておくと、実際に嗅がなくとも香りを想像できるようになってきます。
また、自分の好みの系統を知っておくことで、香り選びに失敗する可能性も減らすことができます。
生活の中で香りを嗅ぐ際は、それがどの系統の香りなのかにも意識を向け、少しずつ自分なりの感覚を身に付けていきましょう!
次回はノートの2つ目、「香料の揮発速度」を表現するノートについて解説していきます。
そちらも併せて確認してみてくださいね!